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◆わさび
Q.わさびをすりおろす際に良いとされている、サメ皮のおろし板はいつ頃から使われるようになったのでしょうか?
約40年前からです。伊豆の浅田屋わさび店の先代の店主が考案したと言われています。

 わさびをすりおろす道具としては、おろし金や陶器製のおろし器を使用したり、なかには石の割れ目のギザギザですりおろすむきもありました。この中にあって、サメ皮に注目したのが伊豆にある浅田屋わさび店の先代の店主、浅田與信さんでした。浅田與信さんは、宮大工が丸い柱を磨き上げるのにサメ皮を使っていることにヒントを得て創案したといいます。サメ皮の細かく、かつ硬いザラザラがわさびを細かくすりおろすのに実に適していたと言うわけです。

 しかし、サメ皮なら何でもいいと言うわけではなく、コロザメと呼ばれるサメの背側の黒い部分が最上とされています。コロザメは、本州中部以南の近海に棲息しているサメで、体長は1.5メートルから2メートルで、「人の形をした異形のサメ」として知られてきたそうです。ただ、漁獲の対象にはならない為、入手は不安定で、現在でもこのサメ皮からわさびの卸板を作っている浅田屋わさび店では、各地の漁業関係者との間にルートを作って、原料になるコロザメの皮の確保に努めているそうです。つくり方は簡単で、桧の板をおろし金状に切り、サメ皮を接着剤で貼り付けただけのものですが、一流の料理店や寿司屋で大変重宝されていると言われています。

 わさびをすりおろすと、独特の鼻に抜ける辛味・風味が発生するメカニズムについては、おろし金などのギザギザで細胞組織が破壊され、細胞内のからさのもとになる成分であるシニグリンが水と酵素のミロシナーゼによって加水分解され、アリル芥子油(アリルイソチオシアネート)等の辛味成分を発生させるのです。このアリル芥子油を主成分とする辛味成分は揮発性が強いため、鼻にツーンと抜けるような独特の辛さを感じるのです。わさびは葉、茎を落とし、鉛筆を削るように芯を残して削り、でこぼこした部分を削ぎとってから、茎の方からおろします。

 ただわさびのおろし方には個人の好みもあるようです。きめ細かく滑らかにおろしたわさびを好むという人もいれば、粗目におろして粗挽きの食感を楽しみたいという人もいます。おろす道具にもおろし金を使う人もあればサメ皮のおろし板を使う人もいます。

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