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◆唐辛子
Q.世界に唐辛子の種類は何種類くらいあるのですか?日本でも数は多いのですか?

その数二千種類とも三千種類とも言われていますが、名のついていない種も多く、何種類あるか数えきれません。日本でもかつてかなりの種類の唐辛子が栽培されていましたが、今ではその多くを輸入に頼るようになっています。

唐辛子は大変適応力の強い植物で、大航海時代の冒険者たちが中南米から持ち帰ってから急速に世界に広まっていく過程で、その土地や風土に適応し、そして人々の努力によって様々な品種が誕生しました。口から火を噴き出しそうになるくらい辛いものもあれば、ピーマンのように殆ど辛さを感じないものまで様々、色も赤いのもあれば黄色、緑、紫、形も丸いもの細長いもの、大きさも千差万別で実にバラエティに富んでおり、一説ではその数二千とも三千とも言われています。原産地の中南米では、自生しているところもあり、自然に交配が起こっていることも考えられ、事実調査の中では名前のついていない唐辛子も採取されており、その種類は数えようがないというところです。

日本ではどうでしょうか?現在でもピーマンやしし唐、さらに最近では赤や黄色のピーマンも生鮮売り場の店頭を賑わすなど、唐辛子の仲間は増えているように見えますが、残念ながら昔に比べ日本の唐辛子の種類は随分減ってしまいました。

 日本に唐辛子が上陸したのは、16世紀後半と言われていますが、その薬効が明らかにされると、食品として急速に普及し、江戸時代後期にはいよいよ薬味として全国に広がっていきました。それと同時に上方のうどんに対して、江戸ではそばが圧倒的な人気商品となり、このそばの薬味として唐辛子を主成分とした七味唐辛子が急速に普及し、そばは勿論、うどんの薬味として主役の座を占めるに至ったのです。

 七味唐辛子の普及によって唐がらしの栽培も盛んになり、世界各地で多くの品種が生み出されたように、日本でも様々な品種が考案され、幕末から明治にかけて日本の唐辛子の歴史上、黄金時代を迎えることになります。「和訓栞(わくんのしおり)」という、1777年以後約100年余りかけて刊行された辞書には、「百余種に及ぶ」との記述も見られ、明治初期の文献によると52品種が紹介されています。勿論現在でも代表的な品種である“鷹の爪”“八房”“三鷹”等も記載されています。日本の唐辛子は大変品質がいいとの評判で、1960年代半ばまでは、農産物としてはにんにくと並ぶ貴重な輸出作物として各地で量産されていました。しかし、その後、日本が工業化の道をたどり、農業が衰退するのと歩調を合わせるかのように、唐辛子を栽培する農家は少なくなり、種類も今では数種類を数えるだけになりました。現在では、日本で消費される唐辛子の大半は、中国からの輸入品でまかなっているのが現状です。

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