わさびやしそ、しょうがなどは、日本でも古くから使われてきたスパイス&ハーブですが、こしょうやクローブやサフランといった欧米や東南アジアで使われてきたスパイスが本格的に浸透してきたのは、やはり戦後になってからのことでしょう。
まずは戦後、欧米の食文化が取り入れられていったことが大きな要因です。主婦雑誌の料理欄に現れた「肉には塩、こしょうを」などのレシピの解説がこしょうの普及に一役をかい、さらに、手軽に使えるビン入りのスパイスが家庭用に発売されたこと、ハンバーガーショップの上陸(1971年)、ファミリーレストランの出現といった要因もスパイスに親しむ機会を広げました。また1980年代に入ると、グルメブームやイタリアンブーム、エスニックブームなどが相次ぎ、スパイスやハーブが一層身近なものになっていきました。
海外に気楽に行けるようになったことも、現地のスパイスやハーブの効いたメニューに触れる機会を増やしました。
ハーブについては、80年代にイタリアに修行に渡ったシェフの若手たちが、日本に帰って、ヌーベル・キュイジーヌという、ハーブを取り入れた新しいレシピを次々に提案し、特にフレッシュのハーブに対する関心を高めました。当初は首都圏の限られたエリアでしか売られていなかったフレッシュのハーブが、ここ数年で急速に全国に普及しつつあります。
最近では、栄養たっぷりのハーブの幼葉を幾つか詰め合わせた「ベビーリーフサラダ」が人気を集めています。
一方ハーブは、ガーデニングの方面でも注目を集めたり、アロマテラピーの分野からも関心が持たれたりと、食に限らず、幅広く私たちの生活に取り入れられつつあります。
また、近代文明の行き過ぎへの反省から、自然志向、スローフード、スローライフの流れに乗って関心が持たれているという側面もあります。