スパイスやハーブは、古くから健康への効果が経験的に明らかにされ、生活の中にたくみに取り入れられ、薬としても用いられてきました。しかし、ここ最近は、新しい観点から注目が高まっています。
近年、深刻な問題となっているのが「生活習慣病」と呼ばれる、ガン・心臓病・脳卒中・糖尿病などの病気の増加です。これらの病気は痛みなどの自覚症状が現れないうちに進行し、最終的に命を奪うことにもなりかねない怖い病気です。以前は、病気を早期に発見し、早期に治療する「早期発見早期治療」が重要視されていましたが、最近では、「病気にならないように、いかに予防するか」に軸足が移ってきました。
では、生活習慣病を予防するにはどうすればよいのでしょうか。生活習慣病は、その名前のとおり、生活習慣、とくに食生活習慣との関わりが深いと言われ(詳しくはこちらへ)、高カロリー、高脂肪、塩分の過剰摂取が特に問題視されています。いかにカロリー、脂肪、塩分を適量にしていくかが予防のキーポイントなのです。
そんな中で、スパイスやハーブに関心が高まっていますが、その理由は主に2つあります。
ひとつは、スパイスやハーブを食事に取り入れることにより、食事から塩分を減らしたときの物足りなさを補ってくれるということ。つまり減塩効果です。その効果は、カレーライスを考えてみるとお分かりいただけるのではないでしょうか。カレーは「味が濃く、塩分も多いのでは?」と考えられがちですが、カレーライス一皿あたりの塩分は約2gなのです!一日の塩分摂取量の目標値は10g以下とされていますから、塩分の観点からは非常に優秀な食事なのです。塩分は少なくても、カレーの中のスパイスやハーブの持つ辛さや香りが満足感を与えてくれているのです。
もうひとつは、スパイス&ハーブそのものが持っている有効成分です。1990年に、アメリカの国立ガン研究所が中心となってスタートした「デザイナーフーズプロジェクト」というものがあります。これは、植物性食品に含まれているがん予防効果に着目し、その科学的な根拠を明らかにして、実際の食生活に採り入れる可能性を求めようとしたものです。そのスタートにあたり、アメリカで長年にわたって行われてきた疫学的研究を基礎にして、がん予防に効果があると期待される野菜・果物がリストアップされ、図式化されました。それが、有名な"がん予防の可能性のある食品ピラミッド"(図1)です。
このピラミッドに登場する37品目のうち三分の一以上にあたる、実に14品目をスパイス&ハーブが占めているのです。
スパイスやハーブがどのように生活習慣病の予防とかかわっているのか、詳しいお話は、別項目の「スパイスやハーブは活性酸素に対してどのような働きをするのですか?」をご覧ください。