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A.戦前は一部の高級レストランでしかカレーは食べられませんでしたが、次第に大衆食堂でも食べられるようになり、戦後即席カレーにいいものが出来てからカレーメーカーが競い合う中で急速に広まっていきました。
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日本にカレーが入ってきてから100年以上が経ち、すっかり国民食として定着しました。まもなく21世紀を迎えますが、20世紀の日本を代表する料理の一つとして数えられるのは間違いないでしょう。
ただ、はじめから日本人の誰もが好きな時にカレーを食べられたというわけではありませんでした。明治初期には、カレーは限られたレストランで、それもかなりのお金を出さないと食べられないという正にハイカラ料理でした。その後主婦向けの雑誌にカレーのレシピが紹介されたり、大正時代も末になると大衆食堂のメニューにもカレーが登場するようになり、一般の人でもカレーを食べる機会が増えていったと思われます。これと前後してエスビー食品の創業者・山崎峯次郎が日本で最初の純国産カレーの製造に成功しています(1923年、大正12年)。また他のメーカーから質はともかく、インスタントのカレーも売り出されるなどして、次第に家庭の中にもカレーが浸透していったと思われます。しかし、まだまだ都会が中心で地方に広まりきれていなかったと思われます。
戦後になると、軍隊で覚えたカレーを地方にも伝えたり、しばらくして給食にもカレーが登場するなどの基礎のもと、1950年代から60年代の半ばまで、各地のカレーメーカーが群雄割拠して競いあう、第一次カレー戦争が起こります。そのころ始まったテレビにCMを投入するなど、互いが切磋琢磨し合ってカレーを深く消費者に印象付けました。おりしも食品のインスタントブームもあり、一気にカレーは家庭にも浸透していったのです。60年代の終わり(1968年)にはレトルトカレーも登場、そののち70年代に入っても、高級即席カレーの発売(1973年「S&Bディナーカレー」)など、各メーカーが競い合う中でさらにカレーは量的にも質的にも広く・深く進化していきました。
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この辺の事情は、統計を見てもよく読み取れます。農林水産省の食品流通局が調査している1966年からの即席カレーの統計に、エスビーに残っている1951年からの推定数字を加え、グラフにあらわしてみました(グラフ1参照)。併せて業界団体である日本缶詰協会が調査しているレトルトカレーの数字も紹介しておきます(グラフ2参照)。ここからも、カレーが1950年代から60年代、70年代にかけ家庭に浸透していった様子がよくわかります。
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グラフ1)即席カレー生産量推移
(エスビーのデータと農林水産省の食品流通局の調査データをもとに作成)
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グラフ2)レトルトカレー生産量(日本缶詰協会調べ)
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