古代エジプトのピラミッド建設に大量のにんにくが使用されたのは、体力をつける薬のような役目を果たしていましたし、中国では、漢の時代の宮廷の官吏が天子に政事(まつりごと)を奏上する時に、1本のクローブを口に含んで口臭を消し、吐息を清めるための香薬として用いていたことなど、いずれも食品というよりむしろ薬として貴重な存在であったようです。
山椒、シナモン、クローブを寺院や教会でいぶして空気を清める香煙としたり、紀元前2500年もの昔、中国でスパイスを加えた香酒や香飯を供えて神をまつっていた事実が知られています。香酒は、今日までわが国の屠蘇酒として引き継がれてきており、現代のリキュールやカレーライスの源流になったものと考えることができます。紀元前3000年前もの昔、古代エジプトでは、人は死んでもその魂は再び死者の体内に帰ると信じられており、王様や高貴な人達の遺体は腐らないようミイラにし永遠に保存しようとしました。その願いをこめて、強い防腐力を持つシナモンやクローブが遠い国から取りよせられ、死者の体内に詰められたのです。
このほか、数知れないほどの史実から明らかなように、古代においては、スパイス類は主として薬用、香料、神仏祭事用、媚薬、保存剤などの役目をもった貴重品として扱われ古代から中世の頃には、金銀に匹敵する高価な財宝として取引されました。その中継地となったアラビアの港町や市場町を中心にアラビア商人が洋の東西を行きかい、それらの街々が大いに栄えたことは、アラビアンナイト物語として有名な話です。 |
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| その石仏頭上のところに描かれている仏画の一部 |
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